（2022/11/11）現在と未来のアフリカのメガシティ

2022年11月11日 2022年11月11日

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　こんにちは、東京大学のOです。突然ですが、皆さんはどこにお住まいでしょうか？もし首都圏にお住まいの方なら、どこまでも街が続いている眺めをご覧になったことがあるでしょう。そうでなくても、ほとんどの人がテレビやSNSでスカイツリーや高層ビルから見た東京の街並みを見たことがお有りだと思います。地平線の先まで建物が続く壮大な景色が見られる東京(都市圏)は、実は現在(2020年) 3700万人の人口を抱える世界最大の都市圏なのです。しかしこの順位がいつまでも変わらない、ということはありません。今世紀中には人口が東京を越える巨大都市がいくつも誕生すると予想されています。そして、実はアフリカの都市がその多くを占めているのです。

　ということで今回はアフリカの巨大都市についての話題です。まずは現在のアフリカの大都市を紹介します。今アフリカで1番大きな都市はエジプトの首都カイロで約2000万人が住んでいます。カイロ都市圏はかの有名なギザの大ピラミッドを含んでおり、世界最古級の都市と言っても過言ではないでしょう。

　2番目はナイジェリアの都市、ラゴスで約1400万人が住んでいます。ラゴスは元々ナイジェリアの首都でしたが、国内の民族対立による内戦によって現在は国の中央部にあるアブジャが首都となっています(ラゴスには最大民族のヨルバ人が多数派です)。ナイジェリアはアフリカ最大の人口を持つ国で、現在2億人の人口を有しています。

　3番目はコンゴ民主共和国(DRC)の首都、キンシャサでラゴスと同じく約1400万人が住んでいます。キンシャサはコンゴ共和国(紛らわしいですね)の首都ブラザビルと、大河コンゴ川を挟んで反対側に位置しており、世界でも珍しい双子首都となっています。

　さて、アフリカの人口増加率は非常に高く、現在13億人の人口が2100年には40億人以上に達するという試算もあります。これが「21世紀はアフリカの世紀」と呼ばれる所以の一つです。増加する人口に支えられ急成長するアフリカが21世紀の経済の中心地になるということです。上記の国家では、21世紀までにエジプトは2億人、DRCは3.5億人、ナイジェリアは7億人の人口を抱えるという予測もあります(ナイジェリアはアメリカを抜いて世界第3位になります！)。

　そして同時に人々が都市へ移動することで、都市の人口は国全体を上回るペースで増加していくことが想定されています。下の図は2050年までのアフリカの都市人口と　農村人口の予測ですが、今後増加する人口のほとんどは都市人口であることが分かると思います。

　こうした都市の人口増加は、勿論上記の都市、カイロ、ラゴス、キンシャサも例外ではなく、次の図に示すように東京と比較して目を見張る速度で人口が増加していくことがわかります。

　特にキンシャサやラゴスは、なんと今世紀末までに都市圏の人口が1億人近くになるという試算まで存在します。一つの都市に住む人の数が日本の人口に匹敵するなんて信じられませんね！

　しかし、こうした都市の巨大化にはもちろん負の側面もあります。例えば現在のアフリカの都市でも既に大きな問題となっているのがスラムの拡大やごみ処理といった問題です。実際にスラム化が進行しているアフリカの都市は多くありますし、アフリカの一部の国ではプラごみの規制をしている場合もあります。都市計画や整備ができていないまま都市人口が増加すると発生するこれらの問題は、今後のアフリカのメガシティでも間違いなく問題となってくるでしょう。個人的にはキンシャサやカイロは大きな河川に接しているメガシティであるため、河川への廃棄物の流出や安全な飲料水の確保が大きな問題になってくると感じています。しかし、今メガシティを抱えている日本の経験はこれらアフリカの未来のメガシティにも活かせるようにも思われます。

　と、未来への展望で締めてしまいましたが、ここまで読んでいただきありがとうございました！

参考

カイロ