ナミビア研修活動報告⑨サファリツアー参加
研修9日目
まだ陽の昇らぬ午前六時。冷気の中、私たちは起床した。開放的な四輪駆動車で駆け出したナミビアの大地は、容赦ない風が吹き荒れ、体温を奪っていく。しかし、その過酷な寒さを忘れさせるほどに、エトーシャ国立公園の光景は鮮烈だった。ヌーやシマウマ、そして静かに潜むチーター。野生の生命が放つ剥き出しの躍動に、私たちは圧倒されていた。

午後になり、バスは西へ二百キロ、テーブル状の地形であるメサが連なる荒野を突き進む。五時間の揺れの果てに現れたヒンバの村は、まさにユートピアを想起させる静謐な異界であった。
赤土を纏ったヒンバの女性たちが、夕刻の柔らかな光の中に佇んでいる。彼女たちの髪・肌はオチゼと呼ばれる赤土で赤く艶めき、その姿はまるで大地そのものが擬人化したかのような神々しさを放っていた。
文明の喧騒から隔絶された地では、流れる時間さえもその性質を変えるという。
広大なメサのシルエットが夕闇に溶けゆく中、私たちはただ、時の息吹に抱かれるようにして、その光景を眺めていた。
風がメサの断崖を撫で、赤茶けた大地を吹き抜けていく。その微かな音に耳を澄ませていると、今日一日の疲れまでもが、心地よい充足感へと昇華されていくのを感じた。


